主に焦点距離が50ミリ付近の単焦点レンズを紹介する。標準画角と言われる50ミリだけあって、非常に豊富なラインナップである。
スマホでの広角撮影に慣れていると50ミリは狭く、扱いづらいと感じてしまうだろう。しかし、だからこそスマホでは撮れないような「ハッ」っとするような画が撮れる。
これ以上狭いといよいよ使い所が限られるし、これ以上広いと凡庸になってしまう。なんとも50ミリは絶妙なだと筆者は感じる。
実売10万円以下のSONY Eマウント標準単焦点レンズ
単焦点レンズはズームレンズと違いサードパーティ製レンズが豊富にあって楽しい。
50ミリ付近はフルサイズでは定番中の定番である焦点距離とはいえ、これだけ選択肢があるのは驚きである。
FE 50mm F1.8(SEL50F18F)
実売¥30,500+税(ソニーストア)
SONY版撒き餌レンズ。
AFが遅い、モーター音がうるさいなど悪評も多いが、価格を考えれば十分な写り。キットレンズとの写りの違いは初心者でも分かるほど。レンズ沼への入口となるレンズだろう。
むしろキットレンズとこのSEL50F18Fでレンズを完結できるなら、コスパを考えればこの上ない。最も利口なレンズの持ち方と言える。
FE 50mm F2.8 Macro(SEL50M28)
実売¥54,630+税(ソニーストア)
お手軽マクロ。この価格で等倍まで寄れるのは相当に楽しめると思う。
SEL50F18Fよりも描写力は優れているが、AFはさらに遅い。
マクロだから近接撮影専用か、と言われればそんなことはない。スナップや風景撮影にも十分に活用できる。
虫などの動物を近接撮影するならもう少し焦点距離の長い中望遠以上のマクロのほうが適しているが、料理などテーブルフォトにおいてはむしろSEL50M28のような標準域マクロのほうが取り回しは良い。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)
実売¥89,333+税(ソニーストア)
キレッキレと評判の標準単焦点レンズ。
撒き餌レンズSEL50F18よりも描写力を求めるなら、標準ズームレンズの次、2本目にはこれがオススメだ。
何より金属ボティの質感も良いため、小型ながら所有欲は満たされるだろう。花形フードもかっこいい。
フルサイズ対応のEマウントレンズとしては歴史があり、販売開始当初から評判はいい。
SAMYANG AF50mm F1.4 FE
実売¥67,680~(価格.com)
韓国のSAMYANGというメーカーのAF対応レンズ。
SAMYANGは積極的にSONY Eマウント対応のAFレンズをリリースしている。
新しいレンズではあるが、レンズ構成はどちらかというとクラシカル。描写も一昔前のようなイメージ。中央はよく解像するが、はっきり言って周辺の画質はあまり良くない。
しかしながら、この価格でそこそこ軽い開放F1.4のレンズはニッチな存在で一定の需要はありそう。
SAMYANG AF 45mm F1.8 FE
非常に小型軽量で、安価。1本持っておいて損はないのでは、と思わせるレンズ。
同じくSAMYANGでは広角の24mmと35mmでも小型レンズを販売しているが、それらはF2.8である。明るさではこちらに軍配が上がる。
はじめての単焦点にかなり有力候補。
ZEISS Loxia 2/50
実売¥86,800~(価格.com)
SONY-ZEISSではなく、本物のZEISS。
MFであるが電子接点を持つためExif情報は記録できる。
このクラスのレンズとしてはF2と暗く、AFの機構も持たないため非常に軽量である。
無理のない光学系でキレのある描写を見せてくれる、玄人好みの単焦点レンズ。コレ一本で散歩に出かけるなんて、なんという贅沢だろうか。
SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art
実売¥94,800~(価格.com)
重いけれど描写力抜群のレンズ。これまではキヤノン用あるいはシグマ用にMC-11を介しての使用に限られていたが、ついにSONY Eマウント用が販売開始した。
他社では開放での描写が緩くなりがちな50ミリF1.4であるが、SigmaのArtは開放からキレッキレである。レンズ構成も8群13枚と妥協がない。
筆者としては収差を電子補正に頼って、もう少し軽量化してくれれば購入したいのだが。
描写力を考えればさすがはSigma。コスパは抜群だ。
45mm F2.8 DG DN | Contemporary
ミラーレス専用設計の小型軽量レンズ。SIGMAには珍しく絞りリングがついているシネレンズのような面持ち。
ボケにこだわって設計されたそう。45ミリという絶妙な画角は個人的には使いやすそう。
実売10万円以上のSONY Eマウント標準単焦点レンズ
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)
実売¥172,500+税(ソニーストア)
キヤノンもニコンも50 mm f/1.4にはあまり力を入れていないのに、SONYはこの力の入れよう。
カメラを初めた頃は「頑張って重いレンズ持ち運んでも、ズームできないなんて・・・」なんて思っていたが、今では単焦点レンズの魅力にすっかり取り憑かれている。
フォクトレンダー NOKTON 40mm F1.2 Aspherical
実売¥112,230(価格.com)
非常に明るい開放F1.2。
40ミリと他にはない画角。35ミリと50ミリのいいとこ取りのような使い方をできればいいが。
なお、MFでの使用になるが電子接点を持つためExif情報は記録できる。
フォクトレンダー NOKTON 50mm F1.2 Aspherical
実売¥130,500~(価格.com)
F1.2が50ミリでもついに発売!
MFかつ手ぶれ補正なしですが、代わりに得たのは434 gという軽さ。MFに適したEVFとボディ内手ぶれ補正さえあれば、こんなピーキーなレンズでも怖くありませんね。
きちんと電子接点はあるので絞りは記録されます。
フォクトレンダー MACRO APO-LANTHAR 65 mm F2 Aspherical
実売¥101,650~(価格.com)
収差を極限まで抑えたMFハーフマクロ。
先述のNOKTON 40mm F1.2 Asphericalといい、フォクトレンダーは絶妙な焦点距離のレンズを出してくる。
販売開始前から非常に注目度が高かった。
こちらもMFではあるが、電子接点を持つためExif情報は記録できる。
マクロはマニュアルでフォーカスを追い込むことが多いため、AFがないことはこのレンズの場合それほどデメリットではない。
ZEISS Batis 2/40 CF
販売が噂されているが、公式の発表はまだ。
名称からして焦点距離は40ミリ、開放F2であることが分かる。CFはClose Focus?近接撮影が可能なのかもしてない。一応情報として掲載しておく。
2018年11月22日に販売開始しました!
もっぱら評判もよく、筆者もぜひ一度使ってみたいところ。ハーフマクロまでは届かないが、最大撮影倍率は0.3倍。最短撮影距離は24 cmとテーブルフォトもばっちり。
50ミリ的にも35ミリ的にも使えるなら万能レンズになりうる。なによりその361 gという軽さがどこにでも連れて行きたくさせる。
まとめ
多くのレンズを紹介したが、筆者個人的なオススメを以下にまとめる。
- 初めての単焦点レンズに・・・SEL55F18Z
- 本気の作品作りに・・・SIGMA 50mm F1.4 DG HSM
- 本当のZEISSの世界に酔いしれるなら・・・ZEISS Loxia 2/50
ぜひあなたにピッタリの標準単焦点レンズを探してみてほしい。