SONY α7シリーズのようなミラーレスカメラは広角に強い。
なぜなら文字通りセンサーとレンズの間にミラーがないため、一眼レフに比べレンズ構成の自由度が高いからである。
にも関わらず、SONY純正レンズは広角レンズのラインナップが極端に少ない。ズームレンズも同様である。非常にもったいない。マウント径が小さすぎるのだろうか。
その代り、サードパーティ製の広角単焦点レンズは非常に充実している。筆者の知る限り全てを網羅するようにまとめたのでご覧頂きたい。
実売5万円以下のSONY Eマウント広角単焦点レンズ
まずはお手頃なレンズから。
FE 28mm F2(SEL28F20)
実売¥52,880+税(ソニーストア)
※ソニーストアではクーポンの使用で常時10%OFFほどで購入できるため、あえて5万円以下にカテゴライズした
お手軽広角単焦点レンズ。スマホに似た画角なので、すぐに使いこなせる。
とはいえ、
- フルサイズの開放F2はボケ感がスマホとは段違いである。
- α7シリーズであればどれであっても、高感度耐性がスマホとは桁違いである。
という点から、「画角がスマホとかぶるから、SEL28F20は不要」と考えるのはあまりに早計である。
「電子補正に頼りすぎ」という理由で低評価のレビューをよく見るが、一体何が問題なのだろうか。フィルムカメラで利用するならまだ分かるが。
むしろ電子補正に頼ることで余裕を持った光学設計を実現し、低コスト化・小型軽量化しているなら筆者としてはむしろ評価したいくらいだ。
またワイドコンバージョンレンズも2種利用できるため、実はかなり遊べるレンズである。
筆者の次回購入レンズの有力候補であることを付け加えておく。
SAMYANG AF24mm F2.8 FE
実売¥38,520〜(価格.com)
韓国メーカーSAMYANGのAF対応広角パンケーキレンズ。
SONY純正にはない貴重なスペックのレンズである。こういうレンズを待っていた。
24ミリにもなればパースを活かした撮影もできておもしろい。
小型で広角が好きなら常用レンズにも良さそう。
SAMYANG AF35mm F2.8 FE
実売¥38,520〜(価格.com)
こちらは35ミリのパンケーキレンズ。
SONY純正にスペックも外見もそっくりなSEL35F28Zがあるため、金額面のメリットを除けば積極的にSAMYANG AF35mm F2.8 FEを勧める理由はない。せめてもう一段、開放F2くらいの明るさがあれば悩ましいところだったのだが。
実売5~10万円のSONY Eマウント広角単焦点レンズ
このあたりが広角単焦点レンズのボリュームゾーンである。
Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA(SEL35F28Z)
実売¥76,000+税(ソニーストア)
SONY純正のパンケーキレンズ。純正では最も小型・軽量である。
先述のSAMYANG AF35mm F2.8 FEにそっくり。
35ミリは何を撮るにも使い勝手がよく、常用レンズにしている人も多い。
きまれば単焦点らしいキレのある描写をしてくれる。
広角にしては寄れないのが玉に瑕である。
SAMYANG AF14mm F2.8 FE
実売¥82,260〜(価格.com)
星景写真家には評判の超広角レンズ。流石に周辺の描写には癖があるが、星景写真ならあまり気にならない。
使い所は限られているが、純正にはないスペックで魅力的なレンズだ。小型なため、これ一本でスナップに出かけても面白いかもしれない。
なお、MFなら更に安いSAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMCもある。
SAMYANG AF35mm F1.4 FE
実売¥67,680〜(価格.com)
レンズの花形とも言われる35ミリF1.4。
SAMYANGならばAF対応でもこの価格で手に入る。
SIGMAやSONYに比べ価格面で圧倒的な優位性がある。
筆者も試してみたいところではあるが、実機を展示しているのを未だ見たことがない。
なお、MFなら安いSAMYANG 35mm F1.4 AS IF UMCもある。
FíRIN 20mm F2 FE MF
実売¥86,660〜(価格.com)
サードパーティ製の広角レンズ。絞りも手動のため、目盛りがたくさん刻んであってかっこいい。フードも角型でどこまでもクラシカル。
しかし中身は
- 電子接点つき
- 光学補正対応
- ボディ内手ぶれ補正
と最新技術が盛り込まれている。ギャップがいい。
広角でありながら、寄ればボケ感も楽しめる魅力的なレンズだ。
SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art
実売¥98,500〜(価格.com)
広角の王様的なレンズ。
SONY純正では24ミリ単焦点を準備していないのが不思議でたまらない。G Masterで24ミリF1.4があってもいいのに。→2018年9月に発表されました
SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Artの強みはその価格。純正の半額よりも少し高いくらい。
一方でデメリットは重さ。純正が軽すぎるだけではあるが。SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Artは665 gに対し、SONY純正のSEL24F14GMは445 gである。軽い!
SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art
実売¥91,800〜(価格.com)
シグマの大人気レンズ、35mm F1.4 DG HSM | Art。どこに持っていっても役に立ちそうなやつ。
これが10万円以下で手に入るんだからすごい。生産数も相当だからこそ実現できる値段だろう。なんせ純正は高すぎる。純正の35ミリF1.4は倍の値段ですから。
SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical III
実売¥86,770〜(価格.com)
詳細執筆中。しばし待たれよ。
NOKTON classic 35mm F1.4
実売¥72,000〜(価格.com)
詳細執筆中。しばし待たれよ。
COLOR SKOPAR 21㎜ F3.5 Aspherical
実売¥74,580〜(価格.com)
詳細執筆中。しばし待たれよ。
実売10万円以上のSONY Eマウント広角単焦点レンズ
ここからは高級レンズ。開放F1.4とあこがれの世界だ。
FE 24mm F1.4 GM(SEL24F14GM)
実売¥179,630+税(ソニーストア)
満を持して登場した広角単焦点のG Masterレンズ。
特筆すべきは445 gという軽さである(同スペックであるSIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Artは665 g)。さすがはショートフランジバックのミラーレスカメラといったところか。
現状のSONY純正レンズでは最も星景写真に適したレンズであることには間違いない。スマホに近い画角でスナップや旅行にもぴったりかと。
Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)
実売¥199,880+税(ソニーストア)
SONY至高の35ミリF1.4。
公式の作例のポートレートにはびっくり。35ミリでもこんなポートレート撮れるんだって。ポートレートには中望遠なんて言われるが、そのモデルさんに合った焦点距離がある。
そんなわけで、建物から風景、ポートレートまでお任せあれのSONY-ZEISS。
FíRIN 20mm F2 FE AF
実売¥114,210〜(価格.com)
先述のFíRIN 20mm F2 FE MFをAF化したレンズ。光学系は全く一緒。
外見はMFモデルとは違い、SONY純正のデザインに近い。フードもMFモデルは角型であるが、AFモデルは花形というこだわりよう。
サードパーティ製では数少ないSONY EマウントのAF対応レンズ。FíRIN 20mm F2 FE AFの評判もかなりいいだけに、このシリーズがこれから増えていくことを期待したい。
SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art
実売¥170,180〜(価格.com)
唯一無二の超広角大口径レンズ。
まるでガラスの塊をそのまま持っているかのように重く・大きい。そして出目金。このレンズをつけたときの迫力は凄まじい。
大口径レンズではあるが、周辺光量や歪みも気にならない。超広角レンズは画角の広さ故に太陽が入り込むことが多い。そこで大事な逆光耐性も素晴らしい。
使いこなせれば唯一無二の写真が撮れることは間違いない。
SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art
実売¥102,600〜(価格.com)
開放F1.4であり、広角なのに綺麗にボケるという変態レンズ。
先述のFiRIN 20mm F2 FE AF(464g)と比較してもらえば、レンズで言う「一段の差」がどれ程のものかお分かりいただけると思う。SIGMA 20mm F1.4 DG HSMは950gである。光を2倍取り込むということは、こういうことなのだ。
SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Artよりも尖りすぎず、明るいのでこちらのほうが使いやすそう。
35mm F1.2 DG DN | Art
これまで出てきたSIGMAのレンズは一眼レフ用に設計されたものをミラーレス対応させたもの。しかしこのレンズは違う。
フルサイズミラーレスのために設計されたレンズなのだ。
SIGMAではこれまでなかった開放F1.2。ショートバックフォーカス化によって実現できたレンズなのだ。
ZEISS Loxia 2.8/21
実売¥179,820〜(価格.com)
ZEISSのフルサイズミラーレス用MFレンズ・Loxiaシリーズの超広角。
筆者は最近急にこのZEISS Loxia 2.8/21が気になりだしている。MFではあるがフォーカシングに寛容な超広角ならむしろAFよりテンポよく撮影できそう。
いたずらに明るさを求めず、破綻のないレンズ構成には好感が持てる。
ZEISS Loxia 2.4/25
実売¥152,600〜(価格.com)
25ミリというZEISS独特の焦点距離。
ZEISS Loxia 2/35
実売¥125,874〜(価格.com)
SONY純正でも人気なSEL35F28Zと焦点距離も大きさもかぶる。
SEL35F28Zでは「他全て完璧なのにあと1段明るければ・・・」という声が多く聞かれた。筆者も全く同じ考えである。
そんな要望を叶えてくれたこのレンズ。うん、魅力的。
ZEISS Batis 2.8/18
実売¥179,820〜(価格.com)
ZEISSのフルサイズミラーレス用AFレンズがBatisシリーズ。
Loxiaとは打って変わって随分と近未来的なデザインである。なんとレンズに有機ELのディスプレイがある。
筆者はSEL1635Zを購入する時に、このZEISS Batis 2.8/18とかなり悩んだ。
結局は価格と、35ミリまでカバーできる安心感からSEL1635を購入したが、未だにZEISS Batis 2.8/18は気になるレンズである。
つけるとボディが浮くくらい径が大きいが、意外と軽いのも好き。
ZEISS Batis 2/25
実売¥134,740〜(価格.com)
こちらもZEISS Loxia 2.4/25と同様に独特な焦点距離25ミリの単焦点レンズ。
先述のZEISS Batis 2.8/18よりもボディとのバランスがいい。
SEL28F20とも似たスペックではあるため、実に悩ましいレンズである。
HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 Aspherical
実売¥109,420〜(価格.com)
詳細執筆中。しばし待たれよ。
ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III
実売¥107,998〜(価格.com)
詳細執筆中。しばし待たれよ。
NOKTON 21mm F1.4 Aspherical
純正にはない超広角の大口径レンズ。
MFということを差し引いてもこの価格でこの画角、F1.4という明るさは凄まじく魅力的。電子接点付きでExifの記録にも対応している。
まとめ
SONY純正はこんなに少ないのに、サードパーティからこんなにたくさんのレンズが。嬉しい悩みである。
- FíRIN 20mm F2 FE AF・・・超広角レンズ入門に
- SEL28F20・・・常用レンズにしたい
- SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art・・・ここぞというときの勝負レンズ